メンタルを鍛える!−行動経済学から学ぶ種々のバイアス

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今回は、行動経済学でよく紹介される人間が取りがちな行動を紹介し、それを投資行動に置き換えて、どのようにすれば逆に応用できるのかを書いていきたいと思います。
特に現在は下落相場だからこそ見えてくる人間の性格があります。
Twitter上でもこのようなバイアスが多く散見されました。この機会に人間が陥りがちなバイアスを整理するとともに、解決策もできるだけ提示できたらと思っています。
ぜひ、自分はどうであるか?(これらが当てはまっているか?)を考えながら読み進めてもらえると自分がいかにバイアスにかかっているかが理解できると思います。
種々のバイアス
1,後知恵バイアス
物事が起きる前は、客観的な根拠がないにもかかわらず、物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向。
「最初から分かってました」効果とも言う。
⇒自己の正当化や権威の表明に使われることが多い。
頻繁にこれを言っているような人には、近づいたところで得をすることはあまりない。
2,アンカリング
特定の情報を重視しすぎるため、新たな情報を取得しても考え方をなかなか変えられないこと。そのアンカーにいつまでも引きずられてしまうこと。
⇒例えば、仮想通貨取引業者認可の材料などは、もうすぐ出る、もうすぐ出るとばかり意識しすぎて、金融庁の方向性が変わっているのにそれに耳を貸さなくなる。その結果、損切りが大幅に遅れ、想定外の結果に終わるといったことがある。
=保守性バイアス
批判意見はどんどん受け入れよう。その上で、最高のケースと最悪のケースを予測する。最悪のケースになる確率が高い場合は、少しロットを減らしておくというリスク管理は有効。
3,生き残りバイアス
生き残ったものを重視し、生き残らなかったものを見過ごすこと。
⇒ジョージ・ソロスが、『まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ。』と言うのもこの由縁である。(嘘
4,確証バイアス
持論に合う情報を選別し受容する一方で、持論に合わない意見は拒絶すること。
⇒これも特定の銘柄を信仰していたりするときに生じる。全く反対の意見を言っている人、その銘柄に対して批判する人を攻撃し、良い面しか見ようとしなく(見れなく)なる。
5,過剰反応
新しい情報に過剰に反応すること。これによって過去の勝ちトレードは過大評価され、過去の負けトレードは過小評価される。
悪いトレードのどこが悪かったか考えて紙に書き出してみることで、自分の無意識に陥る癖や傾向も見えてくることはよくありますね。
6,事後的データ提供バイアス
数ヶ月、あるいは数年にわたってリターンが高かった場合、そのデータをインデックスに含めること。良いデータを都合よく後で含めてしまうこと。
7,責任帰属バイアス
負のフィードバックを拒絶し、自分自身の欠点や責任から目をそむける傾向。 成功したときには自分の手柄ではないにもかかわらず、自分のスキルのおかげとし、失敗したときには運の悪さにしてしまうこと。
8,代表性
少ないデータで早まった推測をすることで、異なるイベントであるにもかかわらず類似性があるものと考えてしまう傾向。
⇒議論をしっかりさせるため、何らかの心の支えを必要として、実際に相関関係はないもの同士でも無意識的に関係性があると断定してしまう。
9,選択バイアス
データを選択するときに、選び方でデータに偏りが生じてしまうこと。
10,群れ行動
人と群れをなそうとする行動。横並びを好む行動。これは過剰反応を引き起こす。=バンドワゴン効果
⇒要するにイナゴ。日本人にはよくある行動。確かに過剰反応が起こる。
過剰反応が極まったところで買うのではなく、収まったところを狙うのは一つの方法。
11,ディスポジション効果
利益を確定するために勝ちトレードを早く手仕舞い過ぎる一方で、収支をトントンにするために、なることを期待して負けトレードに長くしがみつく傾向。
⇒損切りは早く、利は伸ばすのが最上ですが、非常に難しい。
例えば、購入した瞬間に含み損になるということは、どこに原因があるのか考えることも大切。
12、非対称損失回避
損失を回避するために大きなリスクを取るが、潜在的利益に対してリスク回避的になること。
⇒やはり、損失に対しては、ある程度のところで損切りをするマイルールを厳守するのが精神的にも楽ですね。
13,ヒューリスティック
不確実性のもとで何かを判断するときに、人々は単純化された効率的な法則を使っている。
例えば、試行錯誤や経験則、経験に基づく推測などがこれに当たる。
⇒今後起こる世界経済の動きなど予測が難しいものに関しては、過去のデータから類似性を見つけたり、その時の動きを思い出したりして予測する。
14,プロスペクト理論
人は、利益よりも損失に過剰に反応する。それ故、選択の結果被る損失よりも得られる利益に基づいて意思決定することを好む傾向がある。
⇒上げのスピードよりも下げのスピードが早いのはこのため。※アルゴの暴走を除く。
最後に
以上が行動経済学における人間の持つバイアスの代表的なものの一部です。
投資では、人と同じことをしていても勝てないとよく言われます。人の傾向を理解してその裏を突いていけば何かヒントが得られるかもしれません。
それではまた。
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