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投資家が陥るROEの罠

投資家が陥るROEの罠

2018/8/23追記!

今回は、ROEの基本からその捉え方の注意点まで中心に解説したい。

※最初は基本事項なので、初心者の方以外は読み飛ばしていただいてもかまいません。

まず基本事項から

指標としてのROEは何を意味するか?

ROE…Return On Equity 日本語で言うと、自己資本利益率(=当期純利益÷自己資本)を表します。

これは、その会社が株主からの資本を用いて、年間に何%の利益を上げられているのかを示している。

つまり、ROEを見ることで、会社が効率的に利益を得られる体質であるかどうかが分かります。

 

自己資本、株主資本、純資産について

次にROEを考える上での周辺用語の補足をまとめたいと思います。

ここで、自己資本と株主資本と純資産は大まかには同じものとして捉えてもOKです。

より詳しく言うと、

純資産=株主資本+その他の包括利益累計額+新株予約権+非支配株主持分(連結財務諸表のみ)

つまり、株主資本は純資産の一部に含まれることがわかります。

 

また、自己資本の定義から、

自己資本=株主資本+その他の包括利益累計額

そして、株主資本の定義から、

株主資本=資本金+資本剰余金+利益剰余金-自己株式

包含関係から見ると次のような関係が成り立っているということになります。

株主資本⊂自己資本⊂純資産

 

さて話を戻しましょう。

ROEが高いほど株価は騰がる?

これについて解説します。

まず、有名なPER,PBR,ROEの関係として

PBR=PER×ROEが成り立つことが知られています。

ここで、会社のPBRに変化がないと仮定すると、ROEの上昇によって、PERは下がることになりますよね。

そして、PERが下がれば、会社の割安性が増すことになります。故に、買われる。

結果として、株価は上昇する可能性が高いということが言えます。

ここから、ROEの上昇に従って、株価は騰がるということは言えそうですね。

 

しかし、ROEを見る上で注意する点もあります。ここからが本質です!

ROEを見るうえでの要注意ポイント

高レバレッジ経営をしているかしていないかの確認

財務レバレッジを大きく効かせた経営は、短期間に高成長を遂げられるというメリットがある一方、事業の鈍化時に財務状況が急激に悪化するというデメリットもあります。

こういう会社は、上場して間もない若い会社など、これから成長しようという勢いのある会社に多いです。つまり、PERもPBRもまだきっちり確定しておらず、企業価値が変動しているグロース系の会社ですね。

高レバレッジ経営をしているかどうかの確認方法

−四季報や決算短信から、ROE、ROAを比較する。 ROEがROAの何倍もあるようなら要注意!

自己資本比率が低い。つまり、有利子負債が多い。こういう成長企業は、より成長性を高めるために、銀行などから多くの借り入れを行っています。

 

高水準のROEに注意!

十分な純資産を持っており、その上で高ROEを維持しているかどうか

小額純資産の会社のROEは計算上高く出る。赤字続きの会社でもROEが高くなることも。

(例)

純資産1億円の会社が赤字が続きで、純資産100万円にまで落ち込んだとする。

大体こういう会社は赤字会社

しかし、この会社の製品やサービスのヒットで100万円の当期純利益が出た。

とすると、今期のROEはどうなるか?

ROE=100万(当期純利益)÷100万(純資産)=1

となりROEは100%です。

これでは正常なROEなんてとんでもないですよね。だから、会社の純資産のサイズには注意が必要です。

 

特益、特損の出た銘柄には要注意ではあるが、狙い目でもある。

狙い目は、特損の額にもよりますが、特損でがくっとROEを下げてしまい、投げ売りも誘発してしまっている銘柄(これまでROEが安定していた銘柄のほうがベター)

⇒こういう銘柄は、特損が一時的なものであれば、売られないもしくは狼狽売りで大きく下げる場合もあります。全戻しを狙ってこういう銘柄は積極的に狙っていきたいです。

 

業績が不安定な会社、足元が悪いセクターなどは避ける。

 

デュポン分析からさらにROEを考えてみる。

デュポン分析をすることで、ROEをさらに細分化して考えることができる。以下。

デュポン分析

ROE =売上高当期純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ

   =当期純利益/売上高 × 売上高/総資産(総資産/自己資本) × 総資本(自己資本+他人資本)/株主資本

である。

これは、言い換えれば、

売上高当期純利益率で収益面

総資産回転率で効率面

財務レバレッジで安全面

捉えていると解釈することができる。

 

すなわち、チェックするべき要素をまとめると以下のようになる。

 

チェックリスト

・売上高、当期純利益共に右肩上がりであること。

・自己資本が豊富であること。= 自己資本比率が高いこと。

・資産を圧縮していること。(自社株買い、自社株償却など)

・レバレッジに依存した経営でないこと。

 

以上のことに注意して、単にROEが高いだけで飛びつかないようにしたいものですね。

日々の銘柄選定の際には、以上の罠に引っかかっていないかを意識してROEというものを見てみましょう。

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